| 楽章 | 形式 | 主調 | 拍子 | 形式上の変型 | 聴きどころ |
|---|---|---|---|---|---|
| I. Un poco sostenuto – Allegro | ソナタ形式(大序奏付) | ハ短調 | 6/8 | 半音上昇モチーフXの序奏・提示部反復・再現部の境界が曖昧 | ティンパニのCペダルの上を半音で這い上がるモチーフXを覚える。この「運命の動機」が全曲の種になる。長調で終わるが、その明るさはまだ弱い。 |
| II. Andante sostenuto | 三部形式(ABA'+コーダ) | ホ長調 | 3/4 | 初演時はABACAロンド、出版直前に短縮・独奏ヴァイオリンの結び | 「音楽の散文詩」と呼ぶべき自由な歌。最後は独奏ヴァイオリンが、第1楽章から続いた緊張をそっと解いていく。 |
| III. Un poco Allegretto e grazioso | 間奏曲風(スケルツォ+トリオ) | 変イ長調 | 2/4(トリオは6/8) | スケルツォでなく優美な間奏曲・トリオはロ長調・終楽章主題を予告 | クラリネットの優美な主題と、それを支えるチェロのピチカート。中間で終楽章の「大きな歌」がちらりと予告される。 |
| IV. Adagio – Più Andante – Allegro non troppo, ma con brio | 変形ソナタ形式(大序奏付・独立展開部なし) | ハ短調→ハ長調 | 4/4→2/2 | アルプホルンとコラールの序奏・独立展開部なし・『第9』を思わす第1主題 | 霧のような序奏を破って、ホルンの山の呼び声とトロンボーンのコラールが射す。その後、ベートーヴェン『第9』の「歓喜」を思わせる大きな主題が朗々と歌い出す。 |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容・性格・聴取ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 序奏(運命の動機) | m.1 | c moll | 半終止(トリル) | Motto X | ティンパニがCをロールし続ける上を、弦が半音で上昇するモチーフXを、木管が半音で下降する反行形を同時に呈示する。カルベックが『第5』の「運命の動機」との類似で名づけた音型(Frisch p.113)。 m.9撥弦の反復音+「ため息」音型。 → 聴取:地の底から半音で這い上がる旋律と、上から降りてくる旋律を同時に聴く。これが全曲の「運命の動機」 |
| 序奏後半 | m.21 | c moll | 属音Gで期待の半終止 | X派生 | 第1主題を予感する分散和音、ティンパニ再開。 m.29オーボエの憂鬱な「彷徨う旋律」。 m.33チェロが継ぎ、属音Gで期待感をためて半終止。 → 聴取:張りつめた属音の上で、アレグロの噴出を待つ。 |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容・性格・聴取ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1主題群(a/b/a') | m.38 | c moll | – | X Y Z | 低ユニゾンのCから、上行3半音(X)+回転音型が噴き出す。Frisch はこれをベートーヴェン『第1番』の a/b/a'(1:1:2 のセンテンス)を拡大した構造と読む(a=m.38–51/b=m.51–70/a'=m.70–89、pp.116–117)。 m.42「主和音に決然と降り立ち」、ここでやっと「主題らしきフレーズ」がヴァイオリンに現れる。 m.78a'/3 が下属和音上で開始、iv–V–i(Fm–G–Cm)の大きな終止形へ。 → 聴取:冒頭は「モチーフのようなもの」で、真の主題は m.42。主題が組み上がっていく工程そのものを聴く |
| 第2主題 | m.130 | Es dur | – | S | 経過部を経て変ホ長調へ。オーボエが下降跳躍由来のはかない旋律を歌い、クラリネットがこだまする。 → 聴取:嵐の第1主題群のあとの、変ホ長調のつかのまの慰め。この安らぎもすぐ短調に翳る |
| 終結主題 | m.157 | es moll | 変ホ短調の強終止 | K | 3音の短調下降が積み上がり、m.161 で力強い旋律に発展、運命リズムが打つ。 m.177巨大なクライマックス、ホルンの呼び声とハンマーのような3度。 m.189a第1エンディング(半音下降でハ短調へピボットし提示部反復)。 → 聴取:変ホ「短調」で激しく閉じる提示部。長調の第2主題も、結局は短調に呑まれる |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容・性格・聴取ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 展開開始(3度関係の転調) | m.189 | →H dur | – | P分散 | 第2エンディングで全音下降し、変ホ短調からロ長調へ(Frisch が「ブラームスらしさ」の例に挙げる3度関係転調、m.188–189、p.113)。第1主題の分散和音を展開。 → 聴取:遠いロ長調がふっと開く瞬間。属・下属でなく3度で調が動くのがこの曲の色 |
| 台風の目(静寂の瞑想) | m.289 | bb→c | – | X | 音楽が「凪にあったように」止まり、モチーフXの影の上で弦が静かに瞑想する。手本はベートーヴェン『エロイカ』第1楽章の静けさ(Frisch p.118)。 → 聴取:展開の激しさが、ふいに凪ぐ数小節。静けさを劇的に使うブラームスの手腕 |
| 再移行(主題回帰の告知) | m.321 | G(ペダル) | – | Y | モチーフYの尻尾が、心臓の鼓動のような属音Gのペダル上で鳴り、主題回帰を告げる(譜例5-5a、楽章の最高点)。 m.334誰もが「ソ→ドで再現部が始まる」と思うが、ソが半音下のファ#にずり落ちる。以後 Bm→Dm→Fm と3度連鎖で上昇し、その上でXが「正しい足場を探す」(m.335/337/339)。 m.339ド→ド#→レで頂点に達し、Xが「手品のように」主題a/1へ変わる=再現部の開始。 → 聴取:解決を空振りさせる m.334 のずり落ち。期待を外してから、思わぬ仕方で主題が戻る |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容・変容・提示部との差異 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1主題再現(曖昧な境界) | m.340 | c moll | – | P' | 再移行の頂点がそのまま再現へなだれ込むため、境界は曖昧(Frisch・KDH がともに明言)。半音音型がモット化し、m.38 冒頭の和音を省いて主題が始まる。差異:明快な「再現の開始点」を欠き、展開から縫い目なく移る |
| 第2主題再現 | m.403 | C dur | – | S' | オーボエの主旋律が、提示部の変ホ長調でなくハ長調で。 m.419ヴァイオリンが上行し短調へ傾く。差異:Es dur(提示部)→C dur(同主長調)。だが束の間で、終結は再び短調へ |
| 終結主題再現 | m.430 | c moll | ハ短調 | K' | ハ短調の3音下降+ファゴット、m.450 でクライマックス(ハンマー3度)。差異:長調に開きかけた音楽が、ふたたびハ短調へ引き戻される |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容 |
|---|---|---|---|---|---|
| コーダ本体(主題の完成) | m.474 | c moll | – | P完成形 | ハンマーの3度、上行3半音が旋律に育つ。Frisch はここ(m.478–495)で「楽章を通じて主題が最も整然とした姿を見せる」と言う(譜例5-6)。※コーダ開始を Frisch は m.474、KDH は m.475 と数える(1小節差)。 → 聴取:ばらばらだった動機が、ここでようやく一つの主題にまとまる。 |
| Meno Allegro(序奏の回帰) | m.495 | c→C dur | ハ長調で静かに終止 | Motto X | テンポが落ち、ティンパニのペダルとモチーフXの半音が戻る——序奏 Poco sostenuto そっくりに作られた回帰。 m.502第1主題の分散和音が失速し、弦がハ長調で分散和音を奏でる。 m.508モチーフZが終止音ドを押しとどめてクライマックスを作り、ゲネラルパウゼの後、静かなハ長調で閉じる。 → 聴取:序奏が最後に還ってくる。ただしこのハ長調は「よそよそしく冷たい」——真の勝利はフィナーレへ持ち越される(Frisch p.120) |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容・性格・聴取ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 主題A(楽想a〜e) | m.1 | E dur | – | a〜e | 弦の主題(ファゴットが重複)、付点、ホルンの低オクターヴが暗い応答へ橋渡し。Frisch は「音楽の散文詩」と呼び、楽想a〜eを関係づけるのが2番目のbだと読む(p.120)。フレーズc(m.4–6)は第1楽章モチーフXの反転から生成され、この楽章は「ハ長調で終わった第1楽章のこだま」として始まる(p.122)。 m.18オーボエ旋律(フレーズe)。 m.22フレーズa再現——オーボエの下降と、帰ってきたa後半が3度で重なり「出会う運命だったかのよう」。 → 聴取:韻を踏まない散文のように、旋律が息長く続く。その底に第1楽章の動機が谺している |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容 |
|---|---|---|---|---|---|
| 中間部(葬送行進曲) | m.27 | cis moll | – | X回想 | 静かなホ長調から嬰ハ短調へ方向転換し、m.34–35 で「苦しみに満ちた葬送行進曲」に至る。 m.29/m.33モチーフXが第1ヴァイオリンで回想される——「発展する変奏」の技法がきわめて洗練された形で現れ、Frisch は「ワーグナーの『転換の技法』へのブラームスなりの返答かもしれない」と言う(p.123)。 → 聴取:第1楽章の運命動機が、ここで葬送のように回想される。 |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容・変容・差異 |
|---|---|---|---|---|---|
| 再現への経過と主題A' | m.67 | E dur | – | A' | 第1楽章が「属音ペダル上で和声を置換」して再現へ入ったのに対し、ここは拍節を置換する——m.63 で半拍が無音になり、記譜拍子から8分音符ひとつ分ずれて2/4に聞こえる(譜例5-8)。 m.84木管の「この世の物と思えない終止形」——ロマン派の交響曲に紛れ込んだバロック様式(譜例5-9)。差異:第1楽章の「和声の置換」に対し、こちらは「拍節の置換」で再現に入る(p.123) |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容 |
|---|---|---|---|---|---|
| コーダ(Xの解決) | m.100 | E dur | 絶美の終止 | X解決 | 独奏ヴァイオリンが m.91 から終曲まで持続する。 m.116独奏ヴァイオリンがモチーフXを ミ→ミ#→ファ# で再現し、4小節後に解決。 m.122木管高音部がXを全音階化し(ミ→ファ#→ソ#)、立派に解決する——Frisch は「『トリスタン』最後の『切望』のモチーフに似ていなくもない」と言う(p.124)。 → 聴取:独奏ヴァイオリンが、第1楽章以来の緊張をそっと解いていく。この解決が、次の楽章が静かに始まれる場を整える |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容・性格・聴取ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 主題A(対称の主題群) | m.1 | As dur | – | A | クラリネットの主題を、チェロのピチカートが支える。第2句は第1句の正確な反行。Frisch は「均整のとれた対の主題」(A/B/A'/B'/C/D/C'/D'/A'')と読む(p.125)。 m.19A' では両フレーズが7小節ずつに拡大し、m.30–33 で主旋律ファ→ファ#→ソがモチーフXとの関連を指し示す。 m.45主題C(ヘ短調)。 → 聴取:クラリネットとチェロpizz.の、対称に折り返す主題。散文の第2楽章から、韻文の均整へ |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容 |
|---|---|---|---|---|---|
| トリオ(3度関係の転調) | m.71 | H dur | – | Trio | 変イ長調の Eb を D# と読み替え、ロ長調へ(変イ長調から異名同音的に短3度、m.70–71。Frisch が3度関係の例に挙げる, p.113)。裏拍の反復音+下降分散、跳ねる木管句。 m.79半音下げてニ長調へ。 m.99クライマックス、トランペット参加。 → 聴取:拍子が6/8に変わり、遠いロ長調が開く。3度で滑る転調が、全曲の調構想を映す |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容・変容・差異 |
|---|---|---|---|---|---|
| スケルツォ再現(終楽章主題の予告) | m.109 | as→As dur | – | A' | 2/4 へ戻り、トリオの反復音を6/8三連で引きずったまま主題が戻る(pizz下降は終楽章冒頭に酷似)。b部を欠く短縮再現。 m.120第2句が一変してヴァイオリンへ移り、終楽章の主要主題(ビッグ・チューン)を予告する(譜例5-10)。 m.148低弦のユニゾンの上で、第1ヴァイオリンが第1楽章モチーフXを引用——「交響曲の真のドラマが劇的に再開される、その直前」(p.127)。差異:b部を省く短縮再現。前後の楽章の主題がここに差し込む |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容 |
|---|---|---|---|---|---|
| コーダ(遅延終止) | m.154 | As dur | 遅延終止 | Trio素材 | poco a poco più tranquillo。終止を避けながらトリオの三連素材が穏やかに回帰し、遅延終止で静かに閉じる。 → 聴取:優美な楽章が、名残を惜しむように終わる。次の重い序奏の前の、束の間の安らぎ |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容・性格・聴取ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 序奏 第1部(Adagio) | m.1 | c moll | – | 4音下降 | ヴィオラ・低弦の4音下降(ド→シ♭→ラ♭→ソ)が暗い主題を予感させる(この下降は第3楽章でも聴かれた)。奇妙な全弦ピチカートが受け渡され、第1楽章序奏と関連する半音下降の伴奏。 m.12強拍のナポリ六和音=「第1楽章 m.19 をそのまま再現」(Frisch p.128)。 m.24弦の破断的下降がアルプホルン音型を予告、ティンパニ・ロールで新テンポへ。 → 聴取:霧のように不安な序奏。4つの下降音が、やがて「大きな歌」の種になる |
| 序奏 第2部(Più Andante)— アルプホルンとコラール | m.30 | C dur | – | Alphorn Chorale | ハ長調へ転じ、ホルンがアルプホルンの旋律を歌う(ブラームスが1868年にクララ・シューマンへ贈った旋律、"London chimes")。トロンボーンがここで初登場。 m.47トロンボーンのコラール(終曲末まで再登場しない、厳粛な主題)。 m.52ホルンがアルプホルンを受け渡し、属和音の上で「黄金の瞬間」の休止。 → 聴取:山の呼び声(ホルン)と、教会のようなコラール(トロンボーン)。この2つの主題を覚えると、終楽章の全体が見える |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容・性格・聴取ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1主題(ビッグ・チューン) | m.62 | C dur | – | Big Tune | 「朗々とした第1主題」。ベートーヴェン『第9』の「歓喜」主題を明らかにほのめかす——Frisch はザックスの「Es klang so alt, und war doch so neu(ひどく古いもののように聞こえるが、これはすごく新しいものだぞ)」を引く(p.129)。新しいのは「本来の第1主題として幕を開ける」から、馴染むのは前3楽章に蒔かれた「下降4度・半音4音」からこれが生成されたから(譜例5-11)。 m.78木管主導の対呈示。 → 聴取:誰もが知る「歓喜」に似た大きな歌。だがこれは引用でなく、全曲が育ててきた主題の到達点 |
| 第2主題(4度下降のオスティナート) | m.118 | G dur | – | S | アルプホルン主題が m.114 で戻ったあと、第2主題が属調ト長調で。旋律はアルプホルンのミ→レ→ドから、低音は4度下降ド→シ→ラ→ソのオスティナートから(譜例5-12)。序奏で不安定だった属音「ソ」が、ここでは安らぎの主和音になる。 m.142終結部(ホ短調)。 → 聴取:山の呼び声が、そのまま歌う主題に変わる。不安だった「ソ」が、ここで安息の地になる |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容・変容・差異 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1主題再現=展開の開始 | m.186 | C→Es dur | – | Big Tune | ビッグ・チューンの最後の完全陳述(厚い管弦楽)。だがオーボエがすぐ変ホ長調へ転じ、この再現がそのまま展開でもある——独立展開部を持たない設計(Frisch p.130)。差異:呈示部の主題陳述が、そのまま展開の推進力に転じる |
| 「Per aspera ad astra」の凝縮 | m.279 | c→C dur | – | Alphorn | 再現部の経過部の終わりが序奏 m.21–29 を想起させる。アルプホルン音型の頭が減七和音に崩壊し、m.287 でハ長調のミ→レ→ドに戻る——Frisch は「ほんの数小節の間に、交響曲全体の要旨『不安と焦燥から平和な解決へ(Per aspera ad astra!)』が封じ込められている」と言う(p.132)。 m.301アニマート、4音オスティナートがヴァイオリン(意識のレヴェル)から低音(無意識のレヴェル)へ——「交響曲中屈指の場所」(p.133)。 → 聴取:暗い減七から、ハ長調の希望へ抜ける数小節。全曲の物語がここに凝縮される |
| 区分 | 小節 | 調性 | 終止 | 主題 | 内容 |
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| コーダ本体(Più Allegro) | m.391 | C dur | – | Big Tune | 2/2 へ加速。減七和音2つが解決する(m.392 ド-レ#-ファ#-ラ→m.393 主和音)。 ブリンクマンは「第1主題は再現後、原形では二度と現れず、アルプホルン主題(m.285)とコラール(m.407)に置き換えられる=『第9』の撤回(Zurücknehmen)」と読む(pp.133–134)。Frisch はこれに反論:コーダで主導権を取る楽想はリズム型を含め m.62 の第1主題=「曲の生命線」に基づき、置換でも削除でもなく「同じ主題への統合」だと(p.134)。 → 聴取:「歓喜」の主題が消えたのか、統合されたのか——聴きながら考えたい分岐点。 |
| 勝利のコラールと円環の閉じ | m.407 | C dur | ハ長調の強終止(m.457) | Chorale | コラールが2度目の大々的な登場で勝利を告げる(金管・弦)。 m.417コラールから3音モチーフ ソ→ラ→ソ が抽出される(『第9』の "was die Mode streng geteilt" を想起させる広い3連符)。 m.431ストップ・モーション——ユニゾンの ド→ラ→ラ♭→ファ#→ソ が、実は第1楽章第1主題のフレーズ3(m.48–51)に立ち戻る。頭に「ド」を置いて ド→ソ の4度輪郭を最後に明確化し、全曲の円環を閉じる(p.135)。 → 聴取:勝利のコラールのあと、第1楽章の主題がユニゾンで戻る。苦悩の出発点に光の中で還り着く(Per aspera ad astra) |